東京都は「東京都屋外広告物条例」で良好な景観の形成、風致の維持、公衆への危険防止を目的とした規制を行っています。ただし、表現の自由の保障の見地からその内容に立ち入った規制ではなく表示場所や方法の規制となっています。
屋外広告看板は、設置位置、形状、使用材料、照明方法、表示方法などによって分類することができます。ここでは、屋外広告看板を設置する位置で分類し、その名称とその広告効果を説明します。屋外広告看板が複数の名前で呼ばれている場合は、複数の名称を併記するようにしました。
建物の屋上に設置する屋外広告看板です。表示面は最大4方向に4面です。広告面が大きく、遠いところから見ることが出来ますので、電車の沿線、高速道路の沿道の建物屋上に設置することにより、通過する人に対しての広告効果があります。 各地に展開することにより、企業イメージや商品、サービスを統一して伝えることが出来ます。ネオンサインとして都市の夜景をいろどってきましたが、最近は、インクジェットなどの新しい画像出力シートを使った写真や画像を使用する多様な表現方法が使われるようになってきています。
建物の壁面に設置する屋外広告看板です。表示面は一方向に1面です。広告面が大きく、建物や店舗に近づいた時に店舗のイメージや雰囲気を伝えます。ファサードとして建物の外壁全体と看板サインを統合的にデザインすることにより店舗のコンセプト、ブランドを明確に伝えることが出来ます。 LEDで映像を表示する大型映像広告板は新しい屋外広告の媒体として注目を集めています。
建物から突き出して設置する屋外広告看板です。表示面は道路に直角に2方向に2面ですが、3方向3面表示の看板もあります。 規制により表示面は大きく出来ませんが、通行人に対して、企業、店舗の目印としての広告効果があります。
地面に基礎を作り、建てられる屋外広告看板です。建物が道路からセットバックしていて建物に設置した屋外広告看板では見えにくい場合、建物と離れた場所に設置して、多くの人に見てもらう、あるいは店舗までの誘導、案内ために設置する場合があります。 建物の形状、位置にとらわれず広告効果が高い場所を選ぶことが出来、看板の形状、表示面数は設置場所に合わせることが出来ます。
建物や地面に固定しない屋外広告看板です。キャスターを付けて移動が簡単に出来るようにしたタイプもあります。出し入れが簡単ですので、看板を出していれば、“営業中”ということを表すことが出来ます。 表示面は大きく出来ませんが、通行人の目線に近いので、メニューや営業時間、などの営業広告にも使われます。道路上には置けません。店舗や建物の入口付近に置く事が多いので、歩行者や車両の通行を妨げないようにする必要があります。
建物、店舗の1階と2階の間の木造建物で軒上、あるいは欄間と呼ばれている高さに取り付ける壁面看板を特にこのように呼ぶことがあります。Bの壁面看板と同じ広告効果です。
デパート、ショッピングセンターなどでイベントやバーゲンなどの短期間の告知などに使われます。表示面の入れ替えをしやすくするのに、ガイドレールを設置したタイプもあります。 表示面はテント生地や布製綿地ですので、長期の使用には向きません。強風の時には取外す必要があります。
店頭の日除け、雨よけから、文字やイラストを入れて屋外広告看板のひとつとして設置されことが多くなりました。テント生地と鉄骨枠の組み合わせで、立体的な形状を作り出すことが出来ます。外壁全体を立体的にデザインすることで店舗のイメージを強く訴えることが出来ます。 伸縮できるオーニングは、日除け、雨よけの機能を持ちながら、店頭のワンポイントとしての機能があります。
イベントや催事の装飾とし使われます。布製で、短期間向けです。同じデザインを多数設置することで統一したイメージを出すことが出来ます。インクジェット出力により画像やイラストを簡単に表現できるようになりました。
天井から吊り下げる看板です。屋外広告看板としてより、駅のプラットホーム案内、建物内通路の店舗案内表示などに使われることが多いです。通行者の目線に近いので誘導、案内の効果が高いです。
店舗や建物の入口、道路、通路を横断して地面に設置します。アーチの下を人や車両が通行できるようになっています。商店街の出入り口などに地域のシンボルとして設置することが多いです。 店舗や企業が公道上を横断するアーチを設置することは出来ません。
イベントや催事の開催期間中に限定して、店舗や会場の出、入口に出される屋外広告看板です。敷地外に出すことは出来ません。壁などに立てかけるか、転倒防止のため、針金などで簡易に固定します。
ディスプレイ専用のウィンドーや建物の既設のウィンドーを利用して装飾します。マーキングシートの利用は手軽に既設のウィンドーを屋外広告の表示面に変えることが出来ます。
列車、バス、トラック、乗用車のボディに表示する屋外広告看板です。表示面が移動することで多くの人の注目を引くことが出来ます。
電柱を広告媒体とする、電柱に取付ける屋外広告看板です。電柱に巻きつけるタイプと突き出すタイプがあります。看板の寸法、形状、材質、取付位置が決められています。 地域密着の業種や店舗が、地域の住人に対する屋外広告看板として利用します。誘導、案内の役割を持ちます。
〒130-0014 東京都墨田区亀沢1-17-14 (屋外広告会館)